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たくましく回復を目指していく中国ダウンジャケットブランドOrolay

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(出典元:Orolay Fashion)
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新型コロナウィルスによる中国経済への大打撃が続いているが、それでもたくましく経営の舵をとっているアパレル企業もある。

中国のダウンジャケットブランドOrolay (欧莱绒)もそのひとつだ。

Orolayは創業者の邱佳伟によって2006年に設立された。

個性的かつオリジナリティ溢れるデザインの商品を生み出し続け、現在はヨーロッパとアメリカにも輸出され続けている。北アメリカエリアの事業の大部分はamazonを通じて販売され、北アメリカエリアでの全体売上の70%を占めている。

Orolayのダウンジャケットの価格は80USドルから160USドル(8600円から17100円)。アメリカの地元メディアからは「アマゾンコート(Amazon Coat)」と呼ばれ、アメリカのファッション業界やソーシャルメディアの中で人気となっている。

先週、Orolayの中国の従業員31人(従業員全体の40%)が職場に戻った。中国でもマスク不足は深刻な状況にもかかわらず、Orolayは本社のある嘉興現地の商務局や各種協会を通じて、従業員のために十分なマスクを購入することができている。また、嘉興市政府は貸付け金利を引き下げ、税制上でも優遇措置を施し、補助金を提供し、工場の家賃を2か月減免した。

嘉興市の党委書記などの政府高官は、新型コロナウイルスによる厳戒態勢の中、Orolayの工場を見学した。街全体から注目されている一大企業であることがこのことからも窺い知れる。

海外での知名度と売上の多いOrolayは、今回の一連の新型コロナウイルス問題の中では経営へのダメージはまだ比較的少ないほうといえる。新型コロナウイルスの新規感染発生を抑制するために実施された隔離と外出の厳しい制限で、知名度や売上の小さい会社は深刻な影響を受けている。売上減、固定費圧迫によるキャッシュフローの悪化は深刻だ。

中国の工場の一時停止は世界中の企業の商品不足を生み出し、多くの海外企業を不安にさせている。それはマスクに限らず、アパレル業界でも同じことだ。
» 参考:【アパレル企業必見】コロナウィルス問題が中国での2020秋冬オーダーに与える影響

Amazonを含む多くの販売チャンネルは、この1ヶ月半、中国工場の生産再開を待つしかなかった。そんな状況の中、Orolayは生産環境をほぼすべて回復し、従業員の隔離も解除して稼働を開始している。当初の計画よりは稼働が3週間も遅れたものの、彼の2020年上半期の生産目標は変えていないという。

中国では経営危機に陥る企業がこれから増えていくと言われている。中小企業だけでなく、大企業でもキャッシュ不足に悩まされる企業は多い。

Orolayのように、現地政府の支援を受けながらたくましく回復を目指す企業がどれだけの割合で出てくるのか。

その答えはまだもう少し時間がかかりそうだ。

兒玉キミト

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