fbpx

【中国とアメリカでのH&Mの品質問題】ヒトはなぜ品質に注目するのか

Fashion

本記事の内容

  • H&Mのリコール問題
  • H&Mの度重なるリコールの原因と異なる安全基準
  • アパレル商品に求められる安全な品質

world

H&Mのリコール問題

quality

2019年7月30日、北京市消費協会が抜き打ちでのアパレル商品品質比較試験の結果を発表しました。

その結果、北京燕莎アウトレットショッピングセンターで販売されてる多くのブランドの服に品質不良の問題があることが発表されました。選ばれた100着のサンプルの中、25着が中国の国家基準に達しておらず、全体での基準達成率はかなり低かったといえます。

知らない人はいない巨大ファストファッション企業H&Mでは、中国に限らずアメリカでもこういった品質問題が発生しています。

H&Mの親会社は、アメリカで子供用パジャマのリコールを発表しました。関連する商品は子供用のメリヤスのシャツ、長袖の上着とボトムの合計9000着。

それらは2018年7月から2019年の5月の間、アメリカのH&M実店舗とインターネット上で販売されていました。これらの商品はアメリカでの子供用パジャマの可燃性基準に達しておらず火傷への懸念が考えられることが今回のリコール発表に繋がりました。

H&Mの事件に対して、アメリカ消費者製品安全委員会は消費者に直ちにこの製品への使用を停止し、H&Mに連絡し相応の返金とギフトカードを配付すると呼びかけています。

H&Mが品質問題で服をリコールする事件はこれが初めてではありません。

H&Mの度重なるリコールの原因と異なる安全基準

quality

2019年4月、H&Mはアメリカで販売していた約980着の子供用の帽子付き浴衣をリコールしました。理由は同じく火傷に繋がる懸念があるためです。

また2018年7月、染色基準が合格に達せず輸入品のベビーニットの一部をリコールし、2017年11月には、装飾のスパンコールが堅固ではない理由で一部のベビーサンダルをリコール。2014年5月にも、窒息リスクがあることが理由で、65,000着もの子供用レギンスをリコールしています。

リコールの発表は確かに事故発生の可能性を止めることができますが、企業のイメージに一定の悪影響を与えますし、消費者から見たブランドへの信頼度も低下します。

H&Mは、国際的なファストファッション企業として、製品の多くを東南アジアの工場で生産し、コスト削減を図っているため、品質検査の工程への重要度が低くなる可能性はあり、安全性についてコントロールしにくい状態になる可能性もあります。

また、国によって異なる安全基準も一つの原因となります。今回、アメリカで問題になった子供用パジャマはバングラデシュで生産し、H&Mによってインポートされました。

このように、H&Mでは子供服にある一定数の品質問題が発生しています。成人向けの商品より子供服の方が品質についてさらに厳しい基準が要求されているためです。

2019年7月末の北京市消費協会の調査結果を総括すると、多くの不合格服の問題は主に、繊維含有量、製品使用説明、耐乾性摩擦に対する色の堅牢度、耐湿に対する摩擦色の堅牢度、色の堅牢度と起毛などでした。

アパレル商品に求められる安全な品質

quality

こういったアパレル商品の品質は、なぜ常に注目されるのでしょうか?

それはもちろんアパレル商品、つまり服は、人々の生活と親密な関係を持っているからです。

世界的な平均を見ると人々の生活水準が高くなってきている今、商品のファッション性だけではなく、品質も重要となってきてます。ただ着ることができればよいのではなく、快適で安全な生活を送るために、品質が求められているといえます。

商品はプリント時もしくは生産加工の時に、さまざまな染料を入れる必要があり、その際の補助剤などの化学製品には人体に有害な物質が含まれている可能性があります。

それらが一定の量を残っていた場合、人体の皮膚や体に危害を及ぼします。PH値、ホルムアルデヒド含有量、色堅牢度、異臭、芳香アミン染料など5つの指標に対して、各国には違う標準があり、さらに、子供服にはファスナーのすべり具合、服の耐摩耗性と緩み具合などを含めたさらに厳しい基準が求められる傾向にあります。

H&Mは、成長に陰りが見えていたここ数年の踊り場状態からようやくこの2年ほどに上昇の兆しがようやく見えてきたところに発生しているこれらの品質問題。

生産背景や労働環境などの問題をいったん別で考えた場合、価格面で世の中に貢献していること自体にはもちろん価値があるのですが、一消費者の立場としては、H&Mが今後品質面でもさらに向上していくことを願います。

Michelle(林雪深)
※編集サポート 兒玉キミト

人気記事増えるコーヒー消費!中国で過熱のカフェブーム【失敗しないポイント】

人気記事少子高齢化社会とファッションの関わり方【2040年には3割は高齢者】

Youtube動画【アパレル】中国(海外)から見た【Made in Japan】