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【消費される“クラフトマンシップ”】

Fashion

本記事の内容

  • ファッションブランド、アパレルメーカーと工場の関係性
  • ブランドにおける”クラフトマンシップ”の価値
  • 日本から見る中国のファッション事情
  • 成長を遂げた中国ファッションシーンが及ぼす日本への影響

WF海外ファッションオンライオンサロン

ファッションブランド、アパレルメーカーと工場の関係性

クラフトマンシップ

大型の展示会や、個展、店頭等でよく耳にする、いわば常套句のような言葉があります。
「縫製が綺麗、上手」「生地にこだわった商品」「メイドインジャパン」等々……。

一般的な感覚から見れば何てことない会話、または商品をよく見せる、購買に繋げるセールストークといったところでしょうか。

確かに間違いではないし、ファッション業界関係者のみならずこういった場面に一度や二度遭遇したことがあると思います。
 

  • 「日本には確かな技術、特殊な技を持つ職人がいる」
  • 「染め、織り、加工、縫製…様々な職人、工場が衰退の一途を辿っている」

 
上記2点はファッションに従事している者なら感じたこと、または考えたことがあるのではないでしょうか。

日本各地にある様々な“服”にまつわる工場は衰退しているのは間違いありません。既に廃業してしまったところも多々あるのが現状です。

ブランドにおける”クラフトマンシップ”の価値

クラフトマンシップ

GUCCIやHERMES、LOUIS VUITTONは工房から生まれた経緯があり、自社の作る商品に圧倒的な自信をもって販売しています。

勿論すべてのビジネスモデルに当てはまるものではないのは重々承知していますが、こと日本のブランドの多くは先に述べたいわゆる“クラフトマンシップ”が魅力、購買理由に繋がるのを分かっていながら、この数十年それを軽視してきました。
 
今日現在においても、日本のブランド、企業、メーカーが国内工場に対してフェアに取引しない商慣習が根強く残っている為に、工場側が収益を得るためにキャパシティ以上の発注を受け、納期が遅れる等の事案が往々にして発生しています。
 
コスト高やロット数の問題等、様々な原因はあると思いますが、さかのぼれば1970年から80年代にかけて流行したDCブランドブームや高度経済成長期、作れば売れる時代を経験し、モノづくりに対する姿勢の根幹を失ったからなのではないでしょうか?

そのしわ寄せは現在にまで続き「服の売れない時代」に突入していきました……。

日本から見る中国のファッション事情

クラフトマンシップ

  • 「縫製が綺麗、上手」
  • 「生地にこだわった商品」
  • 「メイドインジャパン」

上記のデザイン性やそれにまつわるプロセスではなく、まるでファクトリーブランド、自社の管轄で製作しているかのような錯覚に陥るセールストークだけで良いのでしょうか。
» 参考:日本のファクトリーブランドの今と未来【+αと変化が必要な時代】
 
1970年から80年代にかけて流行したDCブランドブームや高度経済成長期を経験し、バブル崩壊後の90年代にはSPA(製造小売業を意味し、卸売りをせず、自社製品を自前の小売店で販売する企業)が台頭し、生産拠点は中国へ。
 
未だ「中国でつくる服は安いけど粗悪品」というイメージを持っているのではないでしょうか?
 

確かに10年程前は人件費も安く、日本のファッションビジネスに大いに貢献してきました。

しかし近年、中国国内の経済成長とともに人件費は上がり続けています。日本側が支払うコストは変わらないままですが、人件費は上がり続けているので中国国内で二次、三次の下請けに流すようになり、商品の質が下がってきているという問題も発生している為、日本国内の大手アパレル企業も様々な策を講じています。

成長を遂げた中国ファッションシーンが及ぼす日本への影響

クラフトマンシップ

バングラディシュ、インドネシア、ベトナム等のASEANをはじめとする諸外国に工場を移そうとしても、環境整備はもちろん、これまでに膨大な量を担ってきた中国人のクオリティには及ばないといった問題や、物理的な距離からくる物流の問題などが生じています。

しかし個人的には、近い将来間違いなくASEANの生産体制、能力は拡大すると考察しています。

少しづつではありますが、アントワープ王立芸術アカデミーやパーソンズ美術大学、セントラル・セントマーチン芸術大学などを卒業した学生たちが中国に戻りブランドをスタートさせるような動きも出てきています。
 
これまで日本国内では「中国は生産拠点」という認識が当たり前となっていましたが、世界最大規模の生産拠点として大きく成長を遂げた中国は今後“日本”を生産拠点とした動きをするようになるのも時間の問題だと考えられます。

一昔前に見られたように“Made in PRC” などとカモフラージュしたり、Made in China に対するネガティブなイメージのみで片づけることはもはや出来なくなりつつあります。
 
失った時間は戻せませんが、今治タオルや笠原製菓 Senbei Brothers (煎餅ブラザーズ)のような国内のリブランディングの成功例や、エバーレーン(EVERLANE)のような新たなビジネスモデルなど、日本特有の技法を後世に残すべく、国内工場との共存然り、一体となったモノづくりについて再考していかなければならないと感じています。
» 参考:【原価率の高い服はコスパが良い?】アパレルブランドの高品質・低価格

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