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イギリス発のスポーツブランドumbro(アンブロ)が中国市場に復帰

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(画像出典元:umbroオフィシャルWeChat)

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2022年3月10日、2020年に中国のスポーツブランド中喬スポーツに中国の経営権を買収されたイギリスのスポーツブランドumbroはブランド名の中国名茵宝にもちなんだ「茵為热愛(愛の為に)」のキャッチコピーで正式に中国市場へ復帰することを発表した。

中国ではブランドは競技向けのラインナップのほか、スポーツレジャー商品、1924シリーズのハイエンド商品、他ブランドとのコラボシリーズなどを発売する。

また、今年3,4月からは、T-mall茵宝(umbro)スポーツ旗艦店、京東(JD.COM)、得物、TikTok、小紅書などのプラットフォーム上で茵宝(umbro)公式オンラインショップが続々とオープンする予定。また近い将来、中国国内の商業施設にも実店舗も出店予定とのこと。
これまでは細々とWeChatミニプログラム内の直営ショップで販売を続けていただけだったが、これを機にあらためてアクセルを踏んでいく形となる。

現在、umbroは中国を含む100以上の国と地域の消費者にサッカー、プロスポーツ、ライフスタイル全シリーズの製品を提供している。またそれだけでなく、umbroは世界で120チーム以上にユニフォーム、シューズ、トレーニングアイテムを含むプロスポーツアイテムを提供している。

過去にも中国市場進出の経験

2020年7月31日、中国のスポーツブランド喬丹スポーツ(現在「中喬スポーツ」と改称)は、アメリカのアイコニクスから6250万ドルでumbroの中国株式と中国エリア(中国大陸、香港、台湾、マカオを含む)のブランド知的財産権を買収した。

2020年に中喬スポーツに買収される以前、umbroは2度中国市場に進出したことがある。

2003年、広州白雲山運動服装株式会社はumbroのOEM工場となり、「umbroスポーツ用品部」を設立し、umbroが中国大陸市場に正式に進出するきっかけとなった。

だが間もなく、umbroは中国市場で品質問題を起こし始めた。OEM工場の品質検査部門のコントロール不足が原因で、大量の不良品が市場に流入し、代理店は損失を食い止めるために投げ売りし、umbroのブランドイメージは深刻なダメージを受けた。

2013年から2016年にかけて、umbroは経営不振のため、中国大陸市場から一時撤退した。

簡単ではない再進出の道

近年、umbroは競技向けのラインナップだけでなく、スポーツライフスタイルとファッションのカテゴリの開拓も続けている。
例えば、Supreme、Off-White、Vetements、Palace、など多くの有名なファッションブランドともコラボレーションも手がけている。

今回の中国市場再進出にあたっても、スポーツライフスタイルとファッションのカテゴリに力を入れていくようだ。
近年中国で着実に成長を続ける他のスポーツブランドに倣う形となるといえる。

だが、数年ぶりの復帰は簡単ではない。ここ2年、李寧、安踏、鴻星爾克、匹克などの中国ドメスティックブランドの中国国内での人気がますます高まっており、そういったブランドの知名度アップも止まることを知らない。
競争の激しい中国のスポーツブランド市場の中で、umbroがどういったポジションを獲得していくのか。
成長し続ける市場は魅力的ではあるが、一度低下したブランドポジションを戻していくのは簡単ではないだろう。

兒玉キミト

 

 

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