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【中国ブランドLa Chapelle(拉夏贝尔)の低迷に見る中国アパレルの変化】

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(出典元:La Chapelle(拉夏贝尔)オフィシャルサイト)
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中国でレディースアパレル市場をリードしているブランドの一つで、一時期は「中国版ZARA」とまで呼ばれたことのある中国ブランドLa Chapelle(拉夏贝尔)。香港証券取引所と上海証券取引所で上場しているとても希有なアパレル会社でもある。

そのLa Chapelle(拉夏贝尔)が近年、問題に直面している。

La Chapelle(拉夏贝尔)は、1998年に設立され現在複数のオリジナルブランドを運営している。注目企業として名を馳せてきたLa Chapelle(拉夏贝尔)だが、このところ日平均で10店舗以上閉店しているというニュースが流れ、その経営不振ぶりが注目される結果となっている。

La Chapelle(拉夏贝尔)は1998年に設立されたのち、カジュアルテイストに注力し、その後2017年には上海証券取引所に上場を遂げた。La Chapelle(拉夏贝尔)がレディースアパレル市場で生き残ることができたのは、創業者である邢加兴とも言われている。

ZARAのビジネスモデルを研究した彼とデザイナーたちの手腕によって拡大を続け、La Chapelle(拉夏贝尔)の全国店舗数は2011年には1841店に達した。邢加兴はその後も新店舗の開拓スピードを緩めず、店舗数とブランドの知名度を上げ続けていった。

その後、ピークを迎えたのは2017年といえるだろう。全土に展開を進めた店舗数は数千にものぼり、その結果売上高は104億元(約1600億円弱)にまで達した。中国国内でも有数の売上を誇る企業となったLa Chapelle(拉夏贝尔)はその年、「2020年までにオフライン店舗を1万店突破する」との計画も発表した。

時価総額も120億ドルに達したものの、そこから一転して経営は下降を始めた。

在庫が急速に膨らみ、資金難の問題も現れ始め、2015年ごろから在庫消化と不良採算店舗の閉鎖に踏み切っていった。それでも経営は回復に向かわず、その不振ぶりが中国で注目を集め続けている。専門家の間では、オフライン店舗に注力しすぎ、オンライン販売やデジタルマーケティングを軽視した結果だという分析が多い。

変化のスピードが速い中国では、今後、その規模の大小に関わらず、世の中の流れを汲み取り、新しいことに挑戦を続ける企業やブランドだけが生き残っていく。

それは特にスピードの速い中国ではもちろんだが、日本でも同じことがいえる。企業にとっても、取り組み先や協業先の選定の際には、その規模感や過去の実績だけでなく、その企業やブランドの”今”をしっかりと見つめる必要があるだろう。

兒玉キミト

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