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日本のファクトリーブランドの今と未来【+αと変化が必要な時代】

Fashion

本記事の内容

  • ファクトリーブランド 海外と日本の違い
  • 技術力、品質のPRはスタートライン
  • 国内ファクトリーブランドにおける”デザイン性”の課題
  • すべてを内製化することだけが正義ではない

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ファクトリーブランド 海外と日本の違い

海外日本ファクトリーブランド

“ファクトリーブランド”というとどのようなイメージを抱くだろうか?

海外のファクトリーブランドというとスーツやテーラードに類するブランドを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
LARDINI、BOGLIOLI、ISAIA、Kiton、TAGLIATORE、Belvest…昔ながらの職人気質やヨーロッパ諸外国とのビジネスモデルの違い等様々な要因はありますがこれらのブランドはイタリア国内に留まらず、隆盛を極めています。

こうした流れから、最近ではビッグメゾン側がどこのファクトリーに生産を頼んでいるか公にすることで付加価値を生むといった事例も存在しています。
 
国内においてもここ10年ほどで数多のファクトリーブランドが誕生してきました。
近年ではWRAPINKNOT、BASIC BROEK、BATONER、RING JACKET、PADRONE等ある種一つのブランドとして成功する事例も多くなっており、更には「ファクトリエ」の登場によってその存在はファッション感度の高い層だけでなく、ビジネスの側面からも注目を集めています。

技術力、品質のPRはスタートライン

メイドインジャパン

【中間業者を介さず工場と消費者を直接結ぶことで、工場独自のこだわりを詰め込んだ高品質な商品を、”適正価格”でお客様に提供する。】

ファクトリエがファクトリエたる所以は上記の文章に詰まっている。工場、職人の技術力はもちろんのこと、ストーリー性や背景、プロセスを見せ付加価値をつける というのは確かに理にかなった現代のビジネスモデルと言えます。

一方で”ファクトリーブランド”というとデザイン性に欠けるといった意見は未だ根強く残っていると感じます。

実際に成功を収めている傍ら、デザイン性に欠けるファクトリーブランドは多い。「メイドインジャパン」「職人の熟練の技術」「世界的ビッグメゾンも使用している」等の謳い文句はもはや飽和状態。こと「メイドインジャパン」に関して消費者の反応はそれほど期待できるものとは考えにくい。

もちろん先に述べたPR方法は間違いではありません。しかし技術力、品質に加えストーリー性やプロセス”+1”こそが必要なのではないでしょうか。

国内ファクトリーブランドにおける”デザイン性”の課題

技術力 品質

もちろん服や身に着けるものといったカテゴリーで見たときに”デザイン性”は無視できません。

むしろそれこそが購買に繋げる重要なファクターです。~織や~染め、作業工程の多い大変な加工です!といったPRは必要だとは思うが、消費者は100%理解できるはずもありません。この事実を理解しえない限り、いくら中間マージンを抜いても利益には繋がりません。

品質、技術力のみのPRは作り手側が思うより、消費者側にギャップを生むということを考慮しなくてはなりません。

すべてを内製化することだけが正義ではない

工場 デザイナー

デザインの話に戻りますが、品質や技術力があってもデザイン性に欠けるプロダクトを売るのはかなり難しいでしょう。

今までもこれからもブランド、アパレルメーカー → 工場へ注文という流れはあり続けるでしょうが、工場(ファクトリーブランド)  → デザイナー という流れがもう少しあっても良いのではないかと思います。

ビッグメゾン系のデザイナーや大手アパレルメーカーのデザインチームに協力を仰ぐのは少し現実的ではないにせよ、若手~中堅ブランドのデザイナーやグラフィック系のデザイナーを招聘し、ファクトリー側がハンドリングをしながら製作を行うビジネススキームがあっても何ら不思議ではありません。

ファクトリエの定義に沿って考えるのであれば、上記のようなコストのかけ方は決して非効率な投資ではないと考察します。先に述べたイタリア国内の各ファクトリーブランドは、日本の工場と通ずる部分も数多く存在する為です。

中間業者が絶対悪ではありません。餅は餅屋というようにその道のプロフェッショナルであることに変わりはなく、そこにはメリット、デメリットも存在します。綺麗ごとかもしれませんが、互いの現状を知ろうとしない姿勢を取り払い、0か100ではない考え方が介在することによって、新たな可能性が見つかるのではないかと感じています。

石本 遥路

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