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次のフェーズに移りつつある中国のセレクトショップの今

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(出典元:WFN撮影)

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徐々に出店の加速を始めた中国のセレクトショップ

2021年12月、上海ファッションウィークとも関係の深いセレクトショップLABLEHOODが深圳の旗艦店となる深圳万象前海店をオープンした。
LABLEHOODは深圳以外にも、上海、南京、広州にも店舗を構えている。

また、セレクトショップLOOKNOWも、上海以外に武漢、深圳、南京、北京に旗艦店を構えている。
ストリートブランド中心のセレクトショップDOEは上海2店舗以外に深圳にも旗艦店を構えていて、売上も好調だ。
エヌハリウッドやソーイなどの日本ブランドも多数扱う、上海で5年の歴史を持つセレクトショップelementも今年2021年冬に成都に新店舗を出店したばかり。

もともと中国のセレクトショップはインディペンデントな経営スタイル、つまり個人の延長や個店のスタイルが多かった。
日本のようにひとつの屋号で数十店舗・数百店舗運営するスタイルは主流ではなく、香港から始まったITグループがその走りではあった。

また、その経営規模も影響し、百貨店や商業施設が主流というよりは路面店に個店を構えるセレクトショップがこの10-15年のトレンドだったといえる。
セレクトショップは急増したが、単店舗の小規模経営が多かった時代だ。

路面だけでなく、商業施設への出店へ

だが近年、インディペンデントなセレクトショップたちも多店舗展開を強めており、そのうねりの中でモールを中心とした商業施設への出店が徐々に増えている。

中国ファッションのセレクトショップの歴史は1990年代後半からと言われており、2010年ごろからその数は爆発的に増加を見せ始めた。
インディペンデントなショップが主流な中で、基盤のある企業経営スタイルのショップも生まれ始めたのもこの頃からだ。
百联グループが2017年に開始したセレクトショップthe Balancingや素然グループが2018年に開始したセレクトショップin the PARKなどがその代表といえる。

これらの基盤のある企業経営スタイルのショップはある程度ゆとりのある空間を構築して、単純なアパレル小売としてだけでなく、アートや音楽などファッションに付随する様々な要素もショップに加えるようになった。
DoverStreetMarketに追随していくようなスタイルといえる。

in the PARKは2021年夏に上海の静安寺エリアで人気の商業施設 現所に二号店をオープン。アクセサリーや書籍・レコードなどアパレル周辺アイテムにも力を入れている。

また現所にはデザイナーズブランドのインキュベートプラットフォームXCOMMONSが運営する大型セレクトショップXC273もオープンし話題になっている。

筆者の運営するShowroom CATSもこの中国のトレンドに倣い、2016年から約4年半構えていた路面型のショールームを2021年初めに現所内に移転し、バイヤーやスタイリストだけでなく、商業施設である現所を訪れる一般客にも日本ブランドに手をとってもらう機会を増やしたところでもある。

地方の躍進

このように、上海が中国のセレクトショップマーケットで最も発展していて、消費者の受容度が高いのも間違いない。
ただその一方で、深圳・広州・四川などの躍進、そして長沙・武漢・西安などの地方都市でのセレクトショップの勃興も注目に価する。
地方都市はまだまだ上海と比較すると消費者から見た選択肢が少ない一方で、情報自体は地方の消費者もオンラインを通じて収集できているため、この需要と供給のギャップは地方の新しいセレクトショップにとっては追い風といえる。

中国のセレクトショップは1990年代後半の小さい興り、2010年代のインディペンデントなショップの勃興を経て、今次のフェーズに入りつつあるといえる。
「多店舗出店」「地方」「商業施設」、そして今回は詳細には記してはいないが「デジタルマーケティング」
これらが成長のための重要な要素となって、さらなる大変化を続けていくだろう。

兒玉キミト

 

 

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