fbpx

中国メンズアパレルマーケットの複雑な状況【日本ブランドが挑む道】

Fashion

本記事の内容

  • 中国アパレルマーケットに伸び率回復の兆し
  • 数字から読み解く【メンズアパレルの上昇率】
  • 今後の中国メンズ市場と日本(海外)ブランド

world

中国アパレルマーケットに伸び率回復の兆し

中国

中国アパレル業界の活性化

2016年から、個々の消費のクオリティの向上のもとで、中国のアパレルマーケットが回復してきています。中国統計局が発表したデータによると、2018年上半期には、全国の住民一人当たりの消費支出は前年比6.3%増加し、アパレル業界の消費全体が以前のレベルに戻る傾向が明らかになりました。

カテゴリ別にみると、このゆるやかな「暖流」の中でキッズアパレルマーケットが異常な爆発を見せていて、回復傾向にあるカテゴリのトップともいえます。

世界的な「ストリートブーム」の影響を受け、スポーツアパレルの売り上げも悪くないです。レディースアパレルも、穏やかではありますが成長傾向にあります。

安定的に成長する中国メンズアパレル

それに比べて、メンズアパレルだけが複雑な状況が続いています。メンズが低迷している、というわけではなく、一見すると、順調に見える話題も少なくありません。
» 参考:中国メンズアパレルのトレンド【ファッションウィークから読み解く】

例えば、中国メンズアパレル大手の森馬がJASONの親会社の株式を買い取るというニュースや、LVMHホールディングスの中国メンズブランドGXGの香港でのIPOなどをみる限り、中国メンズアパレルの発展の行き先は市場や資本に期待されている事が垣間見えます。

また、業界の研究機関も、メンズ市場の行き先に対しても楽観的ではあります。智能研究室の分析では、2016年から2020年までの予測期間で、中国のメンズ市場は、平均13.1 %の安定的な成長を維持し、2017年のメンズ市場の小売規模は6761億元に達し、2020年のメンズ市場の小売規模は9793億元に達すると予測しています。

数字から読み解く【メンズアパレルの上昇率】

中国

中国メンズアパレルのトップ

しかし、最近のメンズアパレル企業が発表した上半期の業績データによると、メンズのトップ企業の回復度合いは同じリズムでは無いといえます。

回復が速い企業は、売上と利潤どちらも上昇しています。
中国メンズアパレルのピラミッドのトップグループにいる海澜之家の2018年上半期の営業収入は初めて100億元を超え、8.23%増加しました。

中国の上場会社の株主全体に配当された純利益は21億元で、10.2%増加しました。海澜之家以外に、报喜鸟と利郎のメンズも調子はよいようです。

报喜鸟の2018年上半期の営業収入は23.08%増加し、上場会社の株主に配当された純利益は228.72%増加しました。利郎の2018年上半期の売り上げは約13億元、前年比26.5%上昇し、純利益は約3.4億元、25.9 %上昇しました。

競争相手の多様化

ただ、メンズマーケットの競争はもっと複雑になっているといえます。

  • インターナショナルブランド
  • デザイナーズブランド

10数年前に比べて、現在中国国内のメンズブランドは、単純な国内メンズブランド同士の競争だけでは無く、インターナショナルブランドとデザイナーズブランドも競争相手になりました。

インターナショナルブランドとデザイナーズブランドは、現在消費のクオリティが上がってきている中国市場では、やや優勢といえます。

インターナショナルブランドの高いセンス、デザイナーズブランドの個性的なデザインは、昨今の中国の若者の好みにもフィットしています。

CBNDataが最近発表したメンズアパレルの消費報告についても、この傾向が明らかになった。消費の変遷データから分析するに、男性のファッションスタイルは変化を続け、消費者の好みがインターナショナル化とストリートブランドの方向へ発展し続けているといえます。

そのためCBNDataは、新商品を開発に際して、流行の傾向を見極め、トレンドエッセンスを新商品の中に入れていくことを提案しました。

今後の中国メンズ市場と日本(海外)ブラン

中国

アパレルマーケット内での強化

総合的に分析すると、業界のトップを代表しているメンズ上場アパレル企業が直面してる市場の現状を考察すると、中国メンズの市場のなりゆきは全体的に良い傾向にありますが、遠くない未来、「売り手が市場の流れを主導して、生産量イコール売上」という時代の終わりがだんだん近づいているといえます。

消費者がトレンド商品に対する期待が高くなり、需要がいつも満足されてなく、市場でのチャンスが多岐にわたってきています。

このような状況の中では、非アパレルの新しいビジネスマーケットを求めるより、「メインのアパレルマーケットにさらに集中し、そのマーケットの中で革新を求める」という方がよりよいのではないかといえます。

伝統的なメンズブランドは大きな一歩を踏み出し、多元化して、金融、不動産などの非アパレルで収益を引き立てることを期待するのでは成長は望めません。

もっとアパレルマーケットに専念し、消費者の新たな需求、新たな好み、新しいアイテムの創造やブランドの革新などから新しい成長エンジンを探す。

自分たちがよく熟知している快適なカテゴリを越え、もっと多くの品質が高く斬新な商品を企画し、消費者の「中国国内のメンズはダサい、ファッションじゃない」と言う印象を打ち破ることが正解でしょう。根本的に競争の構造を変え、成長を目指す必要があります。

インターナショナルブランドの価値

逆に言うと、日本や欧米などのインターナショナルブランドは、中国のメンズマーケットの変化に対応し、引き続き自分たちの得意なクリエイティビティを発揮。価値のある「ブランド」としてのプライドをもって、中国マーケットに挑んでいく必要があります。

中国トレンドに沿う一方で、自分たちらしさを絶対におろそかにせず、表現していく。デザインやもちろんクオリティなど、またはLOOK BOOKなどのクリエイティビティにおいてもです。

それが今の中国マーケットで中国ブランドと戦っても生き残っていける、ひとつの大切な考え方だといえます。
» 参考:【アパレル】中国(海外)から見た【Made in Japan】

兒玉キミト

人気記事【中国アパレル】市場規模はこんなに伸び続けている【EC,通販も】

人気記事【中国ファッショントレンド】上海ファッションウィーク19SS考察

Youtube動画【アパレル】中国(海外)から見た【Made in Japan】