中国Tmallにfragment design店舗が!【本物か!?偽物か!?】
日本では人気・認知度ともに高いフラグメントデザイン(fragment design)。
藤原ヒロシ氏によるデザインプロジェクトであり、ルイヴィトン(LOUIS VUITTON)を始め、ナイキ(NIKE)やスターバックス(STARBUCKS、ブルガリ(BVLGARI))など数多くのブランド・企業とコラボレーションを行っていることでも知られている。
最近、アメリヴィンテージ(ameri vintage)とのコラボレーションを発表したことでも話題になっている。
そのフラグメントデザイン(fragment design)のオフィシャルECサイトがTmallプラットフォームの中にあると、中国のストリート好きの間で話題になっている。
Tmallプラットフォームは、原則的には商標を保有している正規店しか出店できない仕組みになっているため、このショップが果たして本物なのか議論を呼んでいる。
消費者同士が質問を投げ回答する機能を見ると、「本物ですか」という質問が多く、回答欄には「本物」だと推す回答も多い。
また、ショップ自体へのブックマーク数も約21,000となっており、興味のある人間が少なくないことが伺える。
ただ、ショップには過去に見たことがない商品が並び、価格帯もフラグメントデザイン(fragment design)としてはかなり低く、ショップに掲載されているLOOKや商品画像も、藤原ヒロシ氏がプロデュースするフラグメントデザイン(fragment design)のテイストとはあまりにかけ離れている。
弊メディアWFNがTmallのメイン機能であるチャット機能を使って直接問い合わせたところ、面白い回答が返ってきた。
「藤原ヒロシ氏プロデュースの本物なのか」という質問に対し、「fragment designはイギリスで商標登録したイギリスブランドだ」という回答が返ってきたのだ。
つまりこれは、イギリス企業IBFがSupreme NewYorkのフェイクブランドであるSupreme Italiaを商標登録し、悪びれも無く「Supreme」として中国展開していた手法と同様の手口と言える。
» 参考:【Supremeシュプリームイタリア】中国から事実上の撤退へ!?
Supremeの件は中国大陸では本家のSupremeの訴訟が通り、この手のフェイクブランド問題に一石を投じる結果とはなったのだが、それでも中国大陸でこういった問題はまだまだ絶えない。
» 参考:【中国で本家Supremeがついに商標取得に成功】偽物店舗も閉鎖へ
ルール上は正規品しか扱わない触れ込みとなっているTmallプラットフォームでさえも、法的解釈を乗り越えれば、こういったフェイク品の販売がまかり通ってしまうこともある。
フェイクに対する意識は年々高まる中国だが、それでも今後もこの問題は根強く残るだろうし、だからこそ、日々情報が発信されるブランドのWeChatオフィシャルアカウント内でのショップ開設など、TmallやJDなどの巨大プラットフォーム内のショップ出店とは違う方法も増えてくるだろう。
今後も、消費者の意識変化、ブランドの情報発信手法の変化、それに伴う販売チャンネルの変化とともに、この問題も変化していくだろう。
兒玉キミト
【中国で本家Supremeがついに商標取得に成功】偽物店舗も閉鎖へ
2020年5月6日、中国商標局はSupremeが中国大陸において「SUPREME NEW YORK」商標取得したことを公示した。昨年2019年に本家Supremeとは別のコピーブランドとしてSupreme Italia(シュプリーム イタリア)と称される店舗が中国大陸にオープンし、注目を集めていた。
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