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【中国で若者に強く依存するGUCCIなどのラグジュアリーブランド】

Fashion

ラグジュアリーブランド。
そう聞くとどういう人たちが買っているイメージが浮かぶでしょうか。

30代後半、40代の中国人消費者の多くは、自分が20代の時、GUCCI(グッチ)やLouisVuitton(ルイヴィトン)などのラグジュアリーブランドは中高年が買うもの、という印象を持っていました。

それは値段だけが理由ではなく、「そういう(ラグジュアリー)ブランドは大人のブランド」というイメージを強く持っていたため、そのイメージが「自分たち若者はこんなブランドを選ばない」という考えに繋がっていたと言われています。

しかし現代の中国では、ラグジュアリーブランドの購入者といえば若者が最初に挙げられる時代になってきています。
» 参考動画:【中国】世代別の消費力と価値観の違い【若い世代が消費を牽引】

本記事の内容

  • 業績が若者たちに強く依存している
  • ブランド運営の若返り
  • 若い世代からの恩恵は続くのか
  • 若年化とストリートファッション化の違い

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業績が若者たちに強く依存している

ラグジュアリーブランド

これはなぜかと言うと、GUCCI(グッチ)などのラグジュアリーブランドが近年、ターゲットの若年化に方針転換し、多くの若い消費者を惹きつけたのが大きな原因だと考えられます。

GUCCI(グッチ)の業績は過去数年間で急成長し、ケリンググループを率いて業績は初めて80億ユーロを突破しました。

中国では、「満ちれば欠ける」という諺があります。

ブランドの若年化が高まる中、GUCCI(グッチ)はすでに依存症とも言えるほどに若者に強く依存しているのではないでしょうか?

答えはイエスです。

ただ、この若者依存は悪い事なのでしょうか。それとも歓迎すべきことなのでしょうか。

ブランド運営の若返り

ラグジュアリーブランド

この件について分析するためには、いくつかの方面に分けて見ていく必要があります。

ブランドの運営から見ると、2013年からGUCCI(グッチ)は2年連続でマイナスの成長状態にあり、2015年の第一4半期までの業績はここ5年で最悪となり、やむをえずGUCCI(グッチ)はこの年にマネジメント層を大幅に入れ替える改革に乗り出しました。

同時に、GUCCI(グッチ)は若い世代中心のチームを作り、若者の観点からブランド運営に対するさまざまな問題を議論し、マネジメント層の意思決定を彼ら若い世代のチームがサポートしました。

2016年まで、ラグジュアリーブランド業界全体の成長がほぼ1%と停滞していた時に、GUCCI(グッチ)の業績は3.1%の増加で、LouisVuitton(ルイヴィトン)、BURBERRY(バーバリー)などのブランドは業績停滞か後退といった状況でした。

その後の数年間、GUCCI(グッチ)はケリンググループの業績増加の主な原動力となり、売上は33%増加し、昨年の営業利益は54%の上昇にいたりました。

若い世代からの恩恵は続くのか

ラグジュアリーブランド

Tencentデータラボから提供されたラグジュアリーブランドの消費データによると、現在ラグジュアリーブランド消費者の68%が18歳から30歳の間に集中しています。

これらの人たちは10年後もまだGUCCI(グッチ)を愛しているのでしょうか?

また、その中の63%の消費者はまだ自分の収入ルートを確立していない大学生で、彼らの消費力は両親の援助や奨学金、アルバイトの収入がもととなっています。

彼らは数年後、新しい環境に足を踏み入れ、自身の収入も確立できてきたらきっと、今とは違う価値観を持ち始めるかもしれません。それと同時に、未来の若者たちがどうなるかもまだ分かりません。

そのため、GUCCI(グッチ)などのラグジュアリーブランドは、長期的にブランド成長を検討していく際に、この点を危惧しています。

若年化とストリートファッション化の違い

ラグジュアリーブランド

また、「ブランド自体を若年化させる」ことと「若者も惹きつけるブランドになる」ことは全く違う考え方なので、そこを混乱しないことも重要になってくると思います。

「ブランド自体を若年化させる」ことはブランド再編に繋がることでもあり、転換リスクが大きく、もとのブランド愛好家たちを失ってしまう可能性があります。

ラグジュアリーブランドにとって「若者も惹きつけるブランドになる」ことは、現代においてそれは「ラグジュアリーとストリートファッションを融合させる」ことでもあります。

近年、ラグジュアリーブランドに限らず、さまざまなブランドとストリートブランドがコラボを続けているのは、この流れを汲んでいるからでもあります。

ブランドの消費者の若返り化は必ずしもブランドの歴史を完全に捨てて若者に媚びを売ることではなく、ストリートファッションとの融合に新しい自分たちを見つける行為とも言えるかもしれません。

中国ほどではないにせよ、日本でもラグジュアリーとストリートファッションの融合について若い消費者は友好的です。

その結果それに魅力を感じる中高年層も増えてくるかもしれません。

なんにせよ、若い世代がラグジュアリーブランドを、そしてファッションを変えていっていることは間違いありません。

兒玉キミト

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