【1990年代生まれが牽引】中国のファッションマーケット
人口はアメリカの4倍以上、GDPをみても一位に肉薄しており、ここ10年以内に世界ナンバーワンの経済大国になることが確実視されている中国。
現在中国は世界でも稀に見る高度成長を遂げており、それに直結した消費行動は世界のマーケットまでをも一新させました。
そんな中国では1990年代生まれの世代に注目が集まっています。
» 関連動画:【中国】世代別の消費力と価値観の違い【若い世代が消費を牽引】
彼らはスマートフォンの普及と共にネットでの流行を生み出しマーケットを形成する、中国の消費を牽引する存在となっています。
本記事の内容
- 90後?95後? 進化する“オンライン”での消費
- “オンライン”消費で欠かせないKOLの存在
- 中国の若者はなぜ“貯蓄”より“消費”を選ぶのか?
90後?95後? 進化する“オンライン”での消費
現在中国では生活水準の高まりや所得が増えたことにより、“ファッション”に対する消費が増加しています。
国全体での消費ももちろんですが、最近では90後の後世代、95後(95-99年生まれ)がメインとなりファッションの消費額を引き上げています。
95後世代のECでのファッション消費額は中国全体の消費の約1/4を占めています。
これらの事象にはスマートフォンの普及と共に発展したSNS社会との関りや、経済的に“安定”した中国で生まれ育ったという背景が存在します。
» 参考:【中国アパレル】市場規模はこんなに伸び続けている【EC,通販も】
同時期に中国最大のEC企業・阿里巴巴(Alibaba)がサイトの主力を淘宝網(Taobao)から天猫(T-mall)へと移行しました。
天猫(T-mall)は自社が認定した商品でないと出店できないといったルールと共に、商品到着後7日以内であれば返品・交換対応が可能なシステムを作り上げました。
これにより天猫(T-mall)は従来のサイトより偽物商品を大幅に排除でき、信頼性の高い中国最大のB to Cサイトとなりました。
同サイトはShanghai Fashion Week 2019S/Sシーズンのスポンサーにもなっています。
“オンライン”消費で欠かせないKOLの存在
ECにおけるファッション消費の隆盛において切っても切り離せない存在となっているKOL(Key Opinion Leader)
日本でもinstagramなどを用い、商品のPRやブランドの認知力を上げる為にインフルエンサーを活用する事例が多くみられます。
しかし日本でインフルエンサーを活用しているほとんどの場合が、興味・関心を引く内容のみに留まってしまっていると感じています。
KOLはインフルエンサーよりも更に特定の層に支持を受け、より専門性の高いスキルや知識を有している場合が多いことが特徴です。
- 宣伝や認知度向上のためのKOL
- 消費者目線の内容を伝えるKOL
また中国におけるKOLマーケティングでは宣伝、認知度向上のためのKOLと、どこで買ったのか?実際に買ってどのような感想を持ったか?などのより消費者目線の内容を伝えるKOLを分けて使用するケースも珍しくありません。
これらはどちらが上かといった優劣ではなく、よりビジネスを意識する国民性の違いや、オンライン消費に関するマーケットの成熟度の違いが起因であると考えます。
中国の若者はなぜ“貯蓄”より“消費”を選ぶのか?
ファッションというカテゴリーだけでなく、中国では本稿で記載してきたように若い世代ほどお金を使う傾向にあります。
その背景には経済的安定といったものもありますが、所得も増加しているが物価も上昇を続けているといった現象が大きく関係しています。
つまり物価が上がり続けていくことにより、現在手にしているお金の価値が低下する。
それだったら貯蓄ではなく”消費”に回そうといった思考ということです。
» 参考動画:【中国】世代別の消費力と価値観の違い【若い世代が消費を牽引】
こうした事柄を含め、現在の中国の若者は他国への憧れや流行を追うのではなく、より個性的に…より自分らしさを追求する価値観を育んできました。
これは中国に限ったことではありませんが、文化や流行、マーケットとなる世代の価値観を理解することが海外進出への第一歩なのではないかと考えます。
石本 遥路
【アジアのHUBは未だ東京か?】“TOKYO” FASHION WEEKを通じて考える
世界のファッションウィーク自体の開催時期や、存在意義までもが変化しようとしています。現在、東京におけるファッションウィークのメイン会場は渋谷ヒカリエと表参道ヒルズとなっていますが、数シーズンより前からメイン会場を離れ別の場所でランウェイショーやインスタレーションを開催する動きが強くなっています。
人気記事【原価率の高い服はコスパが良い?】アパレルブランドの高品質・低価格
人気記事【アパレル業界の“ブランディング”は誰に向けたもの?】
Youtube動画【アパレル】中国(海外)から見た【Made in Japan】