【中国ブランドも海外へ】グローバル化を続ける中国アパレルマーケット
本記事の内容
- 【中国の正月 | 春節期間】個人の消費支出は増加しています
- 中国の若い世代(20代)の圧倒的な購買!
- “世界の市場”拡大する中国ブランドの影響力
【中国の正月 | 春節期間】個人の消費支出は増加しています
春節も終わり、中国でもようやく2019年が始まりました。
中国の商務部と国家統計局の発表によると、7日間の国定休日中の消費支出は前年比で8.5%増となり、2018年の10.2%増を下回りました。
伸び率は鈍化しているとはいえ、成長が止まったのかというと、そんなことは全くありません。
春節休暇中、多くのグローバルブランドが2018年の財務データを発表しました。
- Hermes(エルメス)
- Richemont(リシュモン)グループ
- Columbia(コロンビア)
- Levi’s(リーバイス)
その中でHermes(エルメス)は、売上が前年10%の59.66億ユーロだったとし、日本を除くアジアエリアの売上が前年比14%で上昇し、中国エリアの影響の大きさをあらわにしました。
また、CartierやIWCを保有するRichemont(リシュモン)グループは、直近3シーズンの中国市場で二桁成長を続けています。そして、アウトドアブランドのColumbia(コロンビア)は、中国、日本、韓国の市場において、大幅な成長を続けています。
それ以外にも、Levi’s(リーバイス)も業績を伸ばしています。20年ほどの売上の低迷を経て現在は復調し、5シーズン連続で二桁成長を続けています。
アメリカが最大の市場であることは間違いないですが、全売上の20%を占めるほどになった中国市場の重要性は日に日に増しています。
» 参考:中国メンズアパレルマーケットの複雑な状況【日本ブランドが挑む道】
中国の若い世代(20代)の圧倒的な消費力
では、そんな中国市場の消費力の成長はどこから来ているのでしょうか?
それは、若い世代です。
華映資本調研の発表によると、20代の人口比率は17%ですが、消費金額に占める割合は30%以上にのぼります。そして、ECの規模も拡大を続け、ネット販売は90年代生まれの一大販売チャンネルとなっています。
“世界の市場”拡大する中国ブランドの影響力
また同時に、中国ブランドの影響力も拡大を続けています。10年前では考えられなかったようなことが、次々に巻き起こっています。
象徴的なのは「ニューヨークファッションウィーク」。
- Lining(李宁)
- PEACE BIRD(太平鸟)
Tmall(天猫)のサポートを受け、ハルピンビールや青島ビールといった非アパレルブランドもニューヨークファッションウィークに参加し、アパレルブランドとしてもLining(李宁)やPEACE BIRD(太平鸟)が参加しています。
低価格スポーツブランドとしてのイメージが強いLining(李宁)が参加するのは一見すると不思議ですし、ランウェイや個々のアイテムを見てもニューヨークファッションウィークらしくはなく、正直、異質を放っていますが、中国国内のブランディングには大きな好影響を与えています。
そして、頻繁に起きている買収劇も象徴的です。
- ANTA(アンタ)
NBAのスタープレイヤーであるクレイトンプソンやレジョンロンドをイメージキャラクターに起用している中国のスポーツブランド企業ANTA(アンタ)が、フィンランド最大級のスポーツブランドAMER SPORTS(アメアスポーツ)の株式を58%保有し、支配下に収めたことも大事件だといえます。
これは、中国アパレル業界のニュースにとどまらず、中国企業がヨーロッパ企業を手中に収めたという意味で大きなニュースであり、これによってANTA(アンタ)は国際地位と世界的な影響力を持つことになります。
こうしてみてもわかるように、中国市場自体は成長が徐々に緩やかになってきている一方で、中国企業の野心は全く衰えず、海外も視野に入れた拡大計画をさらに続けていきそうです。
“世界の工場”から”世界の市場”と変わった中国は、その”世界”そのものに、物理的にも足を踏み入れていくことになります。
» 参考:【アパレル】中国(海外)から見た【Made in Japan】
兒玉キミト
中国メンズアパレルマーケットの複雑な状況【日本ブランドが挑む道】
中国メンズアパレルマーケットは2016年から、個々の消費のクオリティの向上のもとでアパレルマーケットが回復してきています。しかし、現状はメンズマーケットの競争はもっと複雑になっているといえます。1メンズブランドは、単純な国内メンズブランド同士の競争だけでは無く、インターナショナルブランドとデザイナーズブランドも競争相手になりました。
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Youtube動画【アパレル】中国(海外)から見た【Made in Japan】