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上海のエリア別ロックダウンが中国のアパレル展示会やブランドに与える影響

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(画像出典元:WFN撮影)

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事実上のロックダウン

2022年3月上旬からコロナの感染が広がり、陽性ができた局所エリアごとの封鎖隔離を開始した上海。

大規模にPCR検査を継続していることもあり、封鎖隔離開始後も感染者数は増え続けている。
感染者のほとんどは無症状感染であり、重症化率や死亡率としては非常に低い状態を保ってはいるのだが、中国政府は依然としてゼロコロナを目指しているため、感染管理はより厳格な状況になってきている。

筆者の運営するショールームも3月上旬からすでに3週間閉鎖している状況だ。

上海を東と西の二つに分け、3月28日から4日間は東エリア900万人強を完全ロックダウン、4月1日から4日間は西エリア1600万人強を完全ロックダウンさせる対策が始まっている。
どちらのエリアも4日間でスパッと終わるわけではなく、住んでいる建物やマンションエリア、近隣などで陽性が発生した場合、自身の住宅との距離に応じて条件を細かく分け隔離は続いていく。

1月に西安がロックダウンしたときには感染拡大を抑えるのに約1ヶ月かかった。
国際都市であり西安以上に人の出入りも多い上海の感染拡大を抑えるのは容易ではない。

上海ファッションウィークやブランドにも大きな影響

3月25日に開始予定だった上海ファッションウィーク2022AWは未だ延期予定日が発表されず、早くても4月下旬、現実的には規模を縮小しての5月開催の可能性が高いとも言われている。
2020年時の2020AWも同様に延期し縮小開催をしたため、そのときの記憶が蘇る。

延期によって各ブランドのオーダーデッドラインを過ぎてしまう可能性が高いため、2022AWは上海ファッションウィーク時期に合わせず独自にオンライン展示会を行うブランドやショールームも少なくない。
暫定的にオフラインでの展示会開催予定日を発表しているショールームもあるが、この数日の上海市内の状況を見て再度変更を余儀なくされる可能性も高い。

厳しい時期だからこそ必要な変化

ブランドやセレクトショップには厳しいと言わざるをえないシーズンではあるが、2020AW時にはこの苦難をきっかけにライブストリーミングでの営業やオーダーのDX化なども大きく進んだ。
今回も、自身にやれることを真摯に考え、新しい取り組みを始めるブランドやショップが成長していくことは間違いない。

先日エンドユーザー向けの初めてのライブストリーミングを行った上海のストリートブランドでありセレクトショップであるDOEや、一部のブランドをライブストリーミングでバイヤーに紹介するNOT Showroom、デジタルオーダーにDXを取り入れデジタルプラットフォームとしての新たな形を目指すontimeshowなど、新しい取り組みも多い。
また、この時期だからこそ採用や出店エリア検討を進めるブランドも少なくない。

厳しい時期であることは間違いない。
淘汰されるブランドやショップも出てくるだろう。
それでも、だからこそ長期的な視点を持てるかどうかが重要になってくるのかもしれない。

兒玉キミト

 

 

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