【白熱する中国のドメスティックスポーツアパレルブランドたちの戦い】
本記事の内容
- 世界的なスポーツアパレルブーム
- 中国ブランド・李寧(リーニン)スポーツアパレルで世界進出へ
- 林書豪と契約し中国市場での拡大を目指すxtep
世界的なスポーツアパレルブーム
スポーツアパレルが全世界でブームを呼んでいるのと同時に、中国のスポーツアパレルの市場も引き続き好調を維持しています。
欧睿国際データ統計によると、昨年中国のスポーツアパレル業界の売上は2648億元(約4.2兆円)に達し、前年比でも19.5%伸びました。その中でも特にスポーツウェアとスニーカーの占める割合は大きく、市場シェアは54.5%に達し、売上は1445億元(2.3兆円)に達しました。
中国のスポーツアパレルブランドと言うと
- 李寧(リーニン)
- ANTA(アンタ)
この2つのブランドがひときわ有名です。この2ブランドはここ2年で中国の国産スポーツブランドの光となり、スタイリッシュなブランドとしてadidasやNIKEなどの国際ブランドを追いかける勢いがあります。
361度はトップグループから徐々に脱落し始め、xtepは361度を超えて、着実に国産スポーツブランドの一軍へ進出しています。
中国ブランド・李寧(リーニン)スポーツアパレルで世界進出へ
この数ヶ月、李寧(リーニン)は上半期の好調な財政報告を発表したため、市場から好意的に注目されています。
数字から読み解く李寧
報告によると、李寧(リーニン)グループ上半期の収入は62.55億元(約1000億円)に達し、前年同期比は32.7%上昇し、純利益は7.95億元(約127億円)で、196.0%上昇しました。アイコンとなったボックスロゴの「中国李寧」による強い推進力もあり、李寧(リーニン)はすでに中国スポーツアパレル市場での地位と若い消費者への強い影響力を確立しています。
» 参考:李宁(リーニン)パリファッションウィークに登場【中国アパレル】
国際的なファッションウィークに4回も出演したのも、Eスポーツに進出したのも、李寧(リーニン)がもっとファッション性を高め、ターゲットの若返りを成功させた証明といえます。
海外での始まりから中国国内の爆発まで、Eスポーツは約20年かかりましたが、この産業全体はまだまだ上昇期であり、まだ大きなビジネスチャンスがあります。
そういう意味で、李寧(リーニン)は「世界への進出」と「若者へのアプローチ」ができる強力なカテゴリとして、Eスポーツを捉えています。
林書豪と契約し中国市場での拡大を目指すxtep
また一方で、xtepはNBAプレーヤーである林書豪と契約し、プロバスケットボール市場にも進出し、戦っていくことを宣言しました。
中国のNBAスター選手の活躍
林書豪は、この1年はやや低迷していますが、数年前はアメリカでも特集を組まれるほど注目を浴びたNBAプレーヤーです。2018-19シーズンに優勝したトロントラプターズの一員だったことでも知られています。
バスケットボールの試合を選手にとっての戦場と表現するのであれば、選手が履いてる靴は、スポーツブランドたちにとっての戦場とも言えます。文字通り、xtepは林書豪とともに市場を戦っていく気概を見せています。
そのため、この数年はバラエティ番組やタレントを活用した若者を狙ったプロモーションに力を入れていて、このタイミングで起用された林書豪の影響力を十分に利用すれば、NBAや中国プロバスケットボールの人気の高い中国市場で必ず一定の影響力を創造し、次の市場を攻略できる可能性は高いと言えます。
気になる不安要素
ただ、個人的な意見としては、xtepがバスケットボール市場でのポジションと影響力を高めるためには、商品にもっと力を入れるべきだと思います。まだ、李寧(リーニン)やANTA(アンタ)ほどの商品力やデザイン性を感じないからです。
積極的なプロモーションと、それに伴う高い商品力のアイテムを生み出していけるか。xtepに限らず、中国のスポーツアパレルブランドたちの戦いに注目です。
Michelle(林雪深)
※編集サポート 兒玉キミト
李宁(リーニン)パリファッションウィークに登場【中国アパレル】
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