【崩壊しつつあるファッション“ジャーナリズム” ファッションとメディアの関係性 -前編-】
本記事の内容
- 【日本におけるファッション“ジャーナリズム”は存在しない?】
- 【欧米のファッション“ジャーナリズム”の現状】
【日本におけるファッション“ジャーナリズム”は存在しない?】
ファッションブランドにまつわる付加価値や、イメージを左右するファッションジャーナリストの存在。
―ファッションにおいての“ジャーナリズム”
個々での発信、発言が可能になり、最新のランウェイもすぐにインターネット上で確認が出来ます。しかし、このような時代だからこそ本質的な意味でのジャーナリズムが必要なのではないでしょうか?
日本においてファッションの歴史が浅いといった背景はありますが、ファッションを取り巻く様々なメディアは未だ広告・宣伝の為のツールといった認識が広く周知されており、その枠からはみ出すことは容易ではありません。
例えば日本国内のウェブ媒体で、あるブランドのコレクションに批判的な意見を掲載すると、ブランドから修正や添削を求められます。
個人的にはこのような事態が起こった時に修正、添削をするかどうか といったところが重要なわけではなく、業界関係者でさえ多くの人がこのような認識を持っていることに懐疑的な見方をしています。
【欧米のファッション“ジャーナリズム”の現状】
ジャーナリズムとは少し離れた話ではありますが、東京で展示会を開催した後に欧米でコレクションを発表したデザイナーがクリエイションにしっかりと向き合う姿勢や、批評も含め直接意見を伝えるスタンスにカルチャーショックを覚えるケースは少なくありません。
声が大きくなったジャーナリストは次第にビッグメゾンの影響圏のみに発言が限定され、販促ツールの一環としての機能しか持てなくなる “ジャーナリズムの姿をしたプロモーション” といった事象が起こっています。
ECをはじめとしたto Cビジネスが最盛を迎え、ファッションとメディア、ジャーナリストの距離感には大きな変化が生まれました。ファッションにおけるジャーナリズムの欠如は今後、ファッション業界にどのような変遷をもたらすのでしょうか。
» 参考:【崩壊しつつあるファッション“ジャーナリズム” ファッションとメディアの関係性 -後編-】
石本 遥路
【崩壊しつつあるファッション“ジャーナリズム” ファッションとメディアの関係性 -後編-】
発信力、影響力といった点においてはジャーナリストよりもインフルエンサーの方が優れており、ファッションビジネスにおいても重要な役割を担っています。著名人よりもギャランティは安いが影響力はある。無論ファッション業界もこれらを用い、展示会やランウェイショーへ招待し、その影響力の恩恵を受けるビジネスモデルを推進してきました。
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