【情報経路が多い時代だからこそ考えるアタッシュドプレスの必要性】
本記事の内容
- 変革が求められるPR戦略
- 日本とは違うアタッシュドプレスの価値観
- 変化の中でも必要なブランドのアイデンティティ
変革が求められるPR戦略
ファッションビジネスを行っていくうえで欠かすことの出来ない、ブランドの認知度拡大をはじめ、時代のニーズに沿った消費者への訴求方法の提案など、様々な役割が求められるアタッシュドプレス。
日本国内ではプレスといった呼ばれ方も一般的で、主にブランドの広報や宣伝を司る役割を担っています。
雑誌業界の売上不振や、テレビを見ない世代が多くなっているといったニュース等は誰しもが目にしたことがあるかと思います。そんな状況の中、旧態依然のまま世間にリーチしたところで望んでいる結果に結びつくはずがありません。
» 参考:日本国内における特有のFB【ファッションビジネス】
日本とは違うアタッシュドプレスの価値観
欧米諸国ではPR業務の重要性を重んじる傾向にあり、これはファッション業界のみに留まらず大手企業の経営者や実業家、政治家までもがアタッシュドプレスを必要としています。
分かりやすい例を一つ挙げると、政治家がここぞという強い演説をする際のネクタイは大抵の場合、赤系のものを着用します。こうしたオーディエンスに対してのイメージをコントロールすることも広義的な意味では一つのアタッシュドプレスの業務であると個人的には考えます。
装飾華美な訴求方法や、資金を多く使えば良いということではなく、アタッシュドプレスはあくまで消費者やエンドユーザー目線からなる戦略であり、いかにブランドや商品、はたまた人物が正しい理解のまま世間に伝わるかといった部分が重要なのです。
変化の中でも必要なブランドのアイデンティティ
若手のデザイナーや、立ち上げから間もないブランドでは多くの場合社内にプレス担当の人物を配置することはなく、デザイナー個人が兼任するケースやリース目的で外部に委託することがほとんどかと思います。
もちろんこれらのケースを一概に否定しているわけではありませんが、日本の場合、プロダクトアウトに注力するあまり、アタッシュドプレスを必要以上に軽視する傾向があることを危惧しています。更には短期間や一過性のムーブメントを過度に求める風潮にも賛同しかねます。
付加価値の向上無くして、ブランドの売上向上は成し得ません。
こうした背景含め“良いものをただ単に作っても売れる時代ではない”と認識しているのならばより一層、ブランドや商品のアイデンティティやマーケティングを理解したアタッシュドプレス業務が必要なのではないかと考察しています。
石本 遥路
【急速に進化した国内ファッションビジネス】時代錯誤な商慣習
C to C、D to Cを筆頭に、いかに直接消費者に訴求出来るかというビジネスモデルが急速に発展し、スタンダードになった昨今の国内ファッションビジネス。本稿では10年前、20年前では予想だにしなかったビジネスモデルを過去の事象と共に振り返り、今後の課題と問題点について考えてみたいと思います。
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