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【アパレル企業必見】コロナウィルス問題が中国での2020秋冬オーダーに与える影響

Fashion

日本でも1月下旬ごろから始まった新型コロナウィルス状況の連日報道だが、中国そして世界の経済に大きな影響を与え始めてからすでに1ヶ月が経過した。

本記事の内容

  • 中止の可能性もある上海ファッションウィーク
  • 2ヶ月の運営休止が春物の消化率に大きな影響を与える
  • 春物消化率の低下が秋冬のオーダーに大きく影響

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中止の可能性もある上海ファッションウィーク

2020aw

3月26日に開催予定だった2020秋冬の上海ファッションウィークも延期が発表されたが、具体的な延期日は発表されておらず、中止もささやかれている。

上海ファッションウィークのオフィシャル合同展示会であるMODE shanghaiとontimeshowも同様に、具体的日時なしでの延期の状態となっているが、その一方で、MODE shanghaiとontimeshowと並ぶ大規模と位置付けられているSHOWROOM shanghai(时堂)は4月10日に延期開催を発表している。

SHOWROOM shanghai(时堂)が2週間程度の延期での強行開催を決定したのは、それ以上延期すると生産スケジュールが間に合わなくなるブランドが多いことが大きな理由のひとつだといえる。

上海ファッションウィーク及び多くの大型合同展示会の延期によって中国マーケットで展開する多くの中国ドメスティックブランド、日本やフランスなどの海外ブランドの秋冬展開にも大きな影響があり、個別に設定する展示会を行うのか、オンライン上でオーダーを狙うデジタルオーダーにシフトするのか、各ブランドは対応に迫られている。

ただし、「ブランド側がどうするか」の前に、「マーケットは、そしてセレクトショップ側の現状はどうなっているのか」に注目する必要がある。

現状を理解しなければ、次の一手を決めることは難しいだろう。

2ヶ月の運営休止が春物の消化率に大きな影響を与える

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現状ほぼ全てのセレクトショップが運営を見合わせている。2月末や3月初旬から運営再開するショップも増えてくると言われてはいるが、この1ヶ月半から2ヶ月の運営休止が何を引き起こすのか。

それは春物の消化率の大幅な低下。つまり在庫がたくさん余ること。

梅春物はほとんどのお店でまだ店頭に並んでいない。オンライン(直販ECやDtoC)を強化しているショップもあるが、全体から見るとそれは微々たる割合で、結果的に梅春物の商品はほぼほぼショップに残っている。

上海ファッションウィークの大型合同展運営者たちともこのことについてはよく議論するのだが、このことは秋物のオーダーに大きく影響する。店頭の棚にも並べていない商品も多いこの状況なので、ショップ側は「夏のセールをかなり強めに行う」「そもそも春には棚に並べず、秋に新鮮感のある状態で発売する」ことになる。

セールを強めに行ったとしても例年と比べると消化率は悪いだろうし、春に棚に並べない場合はそもそも消化率どころの話ではない。

春物消化率の低下が秋冬のオーダーに大きく影響

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そうなるとショップ側は、季節感の近い秋物のアイテムのオーダーを少なくし、2020年の秋冬はアウターや厚手のニットなどの冬物を中心に商品構成を組み立ててオーダーをかけていくことになる。

ブランドは、このことを強く意識しながら展示会の開催時期や主力のアイテム選び、オーダーシート作成をしていかないと、2020秋冬をショップに買ってもらうことはなかなか難しくなるだろう。

2020年は中国のアパレルマーケットにおいても大きな影響を与え、マーケットの成長が減速してしまうことは間違いない。

その一方で、世界中のインバウンドマーケット規模の大きな減少や中国外の展示会でのオーダー減少も報告されて、中国が世界のアパレルマーケットに強い影響力をもっていることも改めて認識させられる状況にもなっている。

日本のブランドも、2020年冬以降のインバウンドマーケットや中国マーケットの回復を見越しながら、「中国のショップとのコミュニケーション」「中国人消費者への情報発信とコミュニケーション」をしっかりとプランニングしていく必要があるだろう。

兒玉キミト

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